制作の過程でわき上がるインスピレーションからかたちづくられる彼女の作品は、ヴェネチアン・ガラスの特性を活かしながら、無色透明で表現されます。光や水、空間との関係性を重視したフォルムを特徴とした作品、新たな造形に熱意を込めて挑むその姿勢と鋭い感性は、ヨーロッパで高く評価されています。
通常はアートピースを軸とした制作活動が中心ですが、今回は特別にA&Sのために「日常でつかう」ガラスの作品を試みていただきました。ボウルやプレート、グラスなど、いずれも実用的な道具として、日々の暮らしを豊かにしてくれる品々です。たくさんの方々にご覧いただければ幸いです。
PROFILE
1962年京都生まれ、1989年からヴェネツィアに移住、2011年より京都にも住まいを構え、二拠点を往復する生活を送る。ムラーノ島のガラス職人とのコラボレーションにより、ヴェネツィアン・ガラスの透明度や粘度を活かした、周囲に溶け込みながら光の輪郭を描き出す無色のガラス作品を制作する。空気や光を取り込んでその場のエネルギーを表現する作品は公共空間でのアートワークとしても評価が高く、近年では美術のみならず建築やファッション、デザインとジャンルを横断した活躍が続いている。2022年にヴェネツィア・国立アカデミア美術館で開催した個展「RITSUE MISHIMA ‒ GLASS WORKS」でThe Italian Glass Weeks ヴェネツィア部門の最優秀プロジェクトに送られるFondazione di Venezia賞を受賞。同年にBVLGARI AVRORA AWARDS 受賞。
主な個展に「RITSUE MISHIMA ‒ GLASS WORKS」国立アカデミア美術館(ヴェネツィア、2022)、「光の場」シュウゴアーツ(東京、2019-2020)、「IN GRIMANI」国立パラッツォ・グリマーニ美術館 (ヴェネツィア、2013)、 「あるべきようわ」資生堂ギャラリー (東京、2011)、「Frozen Garden / Fruits of Fire」ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン 美術館 (ロッテルダム、2010) 。主なグループ展に「アジア回廊 現代美術展」二条城 (京都、2017)、「ヨコハマトリエンナーレ2014」横浜美術館(神奈川、2014)、「第 53 回ヴェネツィアビエンナーレ 」ヴェネツィア館 (ヴェネツィア、2009)など。