岡山の北部に位置する津山市に、40年続く大きな熔接工場があります。父親から引き継いだこの場所を拠点として、木多隆志は10年にわたり様々なものづくりを行ってきました。幼い頃から鉄の熔接や稼働する工場の臨場感を身近に接しながら成長してきたこともあり、始まりは鉄を使ったものづくりでした。徐々に鉄と木を組み合わせた家具も作り始め、いまでは住宅から店舗まで多岐に渡る仕事に携わっています。
真鍮における経年変化は独特で、木や鉄のそれとは違う美しさがあります。「経年で表情が出るという意味で、真鍮は金属の中で最も木に近い素材」だと木多隆志は言います。彼は、鉄と違い熔接が格段に難しい真鍮素材の研究を重ね、他ではなかなか見ることのない繊細な印象の真鍮キャビネットを完成させました。独自構造の鍵も備わっており、デザインの美しさと機能性を兼ね備えた生活に寄り添うキャビネットです。
本企画は、KITAWORKS定番の真鍮・鉄素材のガラスキャビネットを中心にご紹介する受注販売会です。この展示のために調色されたブルーの特注サイズキャビネットや、照明、サイドテーブル、新作スツールなどが並びます。キャビネットは、サイズのセミオーダーやサンプルから選んでいただくカラーオーダなど、ご要望に合わせたカスタマイズも承ります。東京では初となるKITAWORKSの展示で、4月29日は木多隆志氏が在店します。
PROFILE
1978年に前身となる地域密着型の町工場・木多溶接工業が創業。2009年にKITAWORKSに改名し、熔接の技術を生かし、鉄・ステンレス・銅・真鍮など金属を取り入れた家具の製作に取り組む。空間に合わせたテーブルやチェスト、テーブルの高さに合わせて作る椅子など、等身大の心地良い暮らしの中で必要とされる家具を製作している。店舗の家具(什器)等のデザイン・製作も行う。