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髙仲健一 「ロケット忍者見参!!」

画家・書家・陶芸家として様々な制作を行う髙仲健一の企画展〈ロケット忍者見参!!〉を、京都・東京・福岡の3店舗にて開催いたします。

Event details

多くの方々が楽しみにされている毎年恒例の髙仲健一による企画展。今年は〈ロケット忍者〉をモチーフとした作品が多数登場いたします。お皿や湯呑み、花器や大壺まで、様々な技法を用いて表現された、楽しく愉快な世界観を持つ作品群です。毎年発表される作品のモチーフは、髙仲氏の思いや自然と溢れてくる発想に任せて生まれています。

 

今回は、A&Sとのコラボレーションアイテムとして髙仲氏のドローイングによる扇子と手ぬぐいもご用意いたしました。いずれも、日常に寄り添う品です。

 

自身の暮らしを見つめ、内観を重ねる日々の中で常に変化し続ける髙仲氏。その変化から生まれる伸びやかで豊かな表現を、作品を通してご覧ください。皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

MESSAGE

“早朝、妻と水を汲みに行ったら、渓谷全体に死臭が満ちていました。鼻が曲がる程の猛烈な臭いで、鹿か猪がすぐ近くで死んでいるのでしょう。上流で死んでいたらちょっとやだなあ、と思いましたが、今、我が家は井戸の水がほとんど出ず、風呂に入るためにはどうしてもここで水を汲まなければならないのです。まっ しょーがない、と思って、二十リッターの水タンク八つを妻と分ち持って、軽トラを停めた林道から二十メートル程下の渓流へと下りて行き、水を汲み始めました。水底のゴミが舞い上がらぬ様、そーっとタンクを水中に入れ、ある程度まで水が入ったら水上をすべらせて岸に上げ、不足分はバケツで継ぎ足します。一本できたらそれを涯上の平らな所に担ぎ上げ、それを妻が軽トラまで運びます。水は重いので、結構な労働です。四本運び終えた妻はちょっと小休止とばかり、あっ、魚がいっぱいいる、と言って、私が水を汲んでいる所から五メートル程下流の深瀬へと下りて行きました。その深瀬にうまい具合に朝日が当たっていて、遠目にも魚影がよく見えたのでしょう。妻は深瀬の前にしゃがみ込んで、沢ガニが歩いているとか、エビがいっぱいいるとか言って、実に楽しそうでした。そうして残り四本を汲み終えた私を見て、お父ちゃんもおいでよ、と言いました。妻の横に行き、しゃがんで水中を覗き込むと、水底の石の上を歩く小さな透明なエビに朝日が差し込んで、えも言われぬ美しさに輝いていました。大小様々なハヤは私達を全く恐れず、すぐ目の前にやってきます。よく見ると、左手の大きな石の下には、子供の沢ガニがうずくまって、こちらをじっと見ていました。更にあちこち見回せば、白くなった沢ガニの死骸が点々と沈んでいるのが見て取れました。私は、ああ、そうかー、と思いました。自然というのは生に満ち溢れていると同時に死にも満ち溢れている。だから自然の水を頂くというのは、生も死も頂くことなんですね。私は、死臭を嗅いで水を汲もうか迷った自分を、相も変わらず修業が足りないなあ、と思い、深く反省したのでした。”

 

― 髙仲健一

PROFILE

1966年茨城県取手市に生まれる。学習院大学を中退後、漢籍、仏書、日本古典を糧に、独学で書、絵画の制作を開始。1993年千葉県大多喜に自身で薪窯を築き、本格的な陶芸活動を始める。半自給自足の生活を営みながら生み出される作品は、独自の感性やユニークな表現が注目され、様々なギャラリーで個展を開催している。

EVENT DETAILS

TITLE

髙仲健一 「ロケット忍者見参!!」

KYOTO

HIN / Arts & Science, Nijodori Kyoto
2024年8月30日(金) — 9月8日(日)/ 11:00 – 19:00
*8月31日(土)は、台風10号の影響により13時開店
作家在店日:9月7日(土)
火曜定休

TOKYO

OVER THE COUNTER
2024年9月13日(金) — 9月23日(月祝)/ 11:00 – 19:00
作家在店日:9月13日(金)
火曜定休

FUKUOKA

A&S Fukuoka
2024年10月18日(金) — 10月27日(日)/ 11:00 – 19:00
火曜定休

  • 来店予約は不要ですが、混み合う場合は入場制限を行う可能性がございます。

  • 設営のため、HIN / Arts & Scienceは8月29日(木)、OVER THE COUNTERは9月12日(木)は15時閉店となります。

  • 詳細は店舗もしくはコンタクトフォームよりお問い合わせください。