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三谷龍二 個展「1981 – 2021 木工房の40年」を終えて

HIN / Arts & Scienceで開催した、木工作家・三谷龍二の個展「1981 - 2021 木工房の40年」は2021年4月4日をもって無事に会期を終えることができました。
本ページでは、個展を終えた三谷龍二の言葉とともに実際の展示風景をご紹介します。あわせて2月上旬にリニュアールオープンし、作家の作品をより深くご紹介できる場となったHINの空間もご覧ください。

京都 CORNERでの展示風景

MESSAGE

「1981−2021 木工房の40年」を終えて ― 三谷 龍二

「1981−2021 木工房の40年」展にお越しいただいた方、本当にありがとうございました。また、作れる数に限りがあるため、今回は来場者を制限させていただきました。皆様のご希望に添えず、ご迷惑をおかけした方々には、改めてお詫び申し上げます。

 

また、タイトルと同名の冊子を発刊いたしました。会場を2つに分け、そこに掲載された過去40年の作品と、その当時の想いを言葉にしたものを、「Corner」という三角形のユニークな建物においてご覧いただきました。会場の様子を写真家の市川靖史さんに撮影していただきましたので、ご覧いただけたらと思います。

 

ところで、僕がはじめて一人暮らしをしたのが京都でした。松本へ移る前の20代前半はこの京都に住んでいたわけで、ものづくりの世界に入る前の、揺籃期のような時期だったとも感じます。そんな場所で、40周年の記念展を開催できたことは、僕にとっても、大変感慨深いものでした。ありがとうございました。」

京都 HIN / Arts & Scienceでの展示風景

「1981−2021 木工房の40年」への寄稿文 ― ソニア パーク

「思い返せば、三谷さんとの出会いは15年以上も前のこと。その当時、お店で取り揃えていたのは海外のクラフトが主で、日本の工芸作家の作品を取り扱うようになったのは、三谷さんにバターケースをお願いしたのがはじまりだったように思う。三谷さんのつくるものに惹かれるのは、自身が必要とし、生活に寄り添うものを作られているからだと思う。自身が考え、作り、使う。自己完結していて説得力がある。

 

海外では機能が備わったモノをつくる作家は数少ない。クラフトといっても、工房で作られるような“プロダクト”に近いものがほとんどであって、自身が考え、手を動かし、ほぼ全てをひとりで担うものづくりは日本ならではだと思う。

 

ここ数年はクラフトブームで“誰々の作った何々”を持つこと自体がステイタスとなりつつあることに疑問を感じるけれども、若い世代が工芸に触れることでさらなる広がりをみせ、価値を再認識してくれたら嬉しい。本当の意味で日本のクラフトシーンが盛り上がるのはこれからなのかもしれないと期待したい。そして、この先も私たちA&Sはニュートラルな立ち位置で、作り手の想いと使い手のニーズの間を繋ぐ橋渡しの場所であり続けたいと思う。」

この個展は、木工作家・三谷龍二の40年にわたる活動を回顧した書籍を軸に、提案し続けてきた「生活工芸」をご覧いただきました。 次回は、2022年12月にA&Sでの三谷龍二の個展を開催できればと考えております。どうぞお楽しみに。*日程は変更になる可能性があります。

TITLE

三谷龍二 個展「1981 – 2021 木工房の40年」

DATE

2021年3月26日(金) – 4月4日(日)

※ 本ページに掲載されている販売作品は全て完売となっております。ご了承ください。

Photos by Yasushi Ichikawa