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小澄正雄 「食卓」

毎年夏季に開催しているガラス作家の小澄正雄による個展を、HIN / Arts & Science 青山、A&S姉小路、A&S福岡の3店舗にて開催いたします。テーマは〈食卓〉。日々の暮らしで使う器の新作を、初披露いたします。

Event details

「毎日使える、普通の器を。」

 

このARTS&SCIENCEからの一言は、小澄氏にとって「普通とは何か?」をあらためて見つめ直すきっかけとなりました。迷いながらも手を動かし続ける中で生まれた器たちは、一見何気ないかたちでありながら、その佇まいには作り手独自の静謐な空気が宿っています。

 

制作の途中、とある対話の中で交わされた言葉が、今回の作品づくりの方向性に確信をもたらしたといいます。日々の食卓に静かに寄り添うガラスの器。どうぞこの機会にご覧ください。

MESSAGE

食卓



「五月雨や 大河を前に 家二軒」 蕪村

 

“水かさが増し、激しく流れる川のほとりに心細く寄り添う家を詠んだ名句である。手前勝手な妄想は其の住まいには明かりがおぼろげに灯り、降りしきる雨音、質素ながら慎ましくも和やかな食卓が目に浮かんでくる。ひとりなのか、ふたりなのか、どのようなお菜があり、そこにいかな器が使われていたのか…何でもない普通の器だったのだろうか…その観念もないのだろう。

 

そんな迷霧の中を食卓の器をいくつか作っていき、コップ、鉢、猪口など色々と作った中に“深鉢”があった。私淑する友人からそれを“サバル*”というと教えていただいた。霧の中、遠く微かに明かりが灯るようで、とてもおおらかな、幅の広い、鷹揚な器というべきか…もしかすると、其のサバルのようななんでもない普通の鉢が使われていたのだろうと想像する。普通の器とは私にとっては途方もない道のりであるが、何気ない食卓に寄り添う器とは何かを想いながら製作し続ける。”

 

― 小澄正雄

 

*サバル:やや深さのある碗。韓国で日常的に親しまれている器。

PROFILE

ガラス作家。1979年熊本県生まれ。富山ガラス造形研究所を卒業後、2005年より富山県にて制作をはじめる。現在は岐阜県に工房を構え、個展を中心に作品を発表。アーツ&サイエンスの一部店舗では、内装に彼の手がけたガラス作品が用いられている。

EVENT DETAILS

TITLE

小澄正雄 「食卓」

TOKYO

HIN / Arts & Science, Aoyama
2025年8月22日(金) — 9月1日(月)/ 11:00 – 19:00
作家在店予定: 8月22日(金)、23日(土)
火曜定休

KYOTO

A&S Aneyakoji Kyoto
2025年9月12日(金) — 9月22日(月)/ 11:00 – 19:00
作家在店予定: 9月12日(金)、13日(土)
火曜定休

FUKUOKA

A&S Fukuoka
2025年10月10日(金) — 10月20日(月)/ 11:00 – 19:00
作家在店予定: 10月10日(金)、11日(土)
火曜定休

  • 設営のため、HIN / Arts & Science 青山は8月21日(木)は臨時休業となります。

  • 詳細は店舗もしくはコンタクトフォームよりお問い合わせください。