同型の器と20年以上向き合い、求めるかたちを探り続けているという陶芸家・伊藤環。無駄のないかたちと使いやすさからなる彼の器は、一つの線を見つけるまでの数え切れない失敗と選択、その集積の末に手がけられています。
伊藤環とA&Sの出会いは、2015年に開催されたNoma at Mandarin Oriental Tokyoで、器のコーディネートを担ったオーナーのソニア パークが器を依頼したことがきっかけでした。そして、DOWN THE STAIRSのリニューアルオープンの際にも、ランチで提供するスープやサラダ、ディナーメニューのためのお皿やボウルも手がけていただきました。今展に並ぶ洋食器は、これまで特別に手がけていただいた品々を軸に、サイズやバリエーションを広げて制作されています。あわせて、古代の須恵器の再解釈から制作された花器もご覧いただけます。
古くから伝わる陶芸の魅力を抽出し、制作と向き合い手掛けられた、現代の暮らしに合う器が集います。ぜひ、お運びください。
PROFILE
陶芸家。1971年生まれ。大阪芸術大学卒業後、京都にて山田光に師事。滋賀県は信楽にて各国の若手作家と競作の後、郷里である福岡の秋月へ戻り、父である橘日東士氏と共に作陶の後、2006年神奈川県三浦市三浦にて開窯。2012年岡山県岡山市に移住し、日々、制作活動に励んでいる。A&Sが考える食の表現を行うDOWN THE STAIRSで使う食器も手がけている。