Collection 008 “Taphonomy”
amachi.のコレクションは、テーマをはじめ表現そのものが次のコレクションに結びつき、 繋がっていきます。前回のCollection 007 “Notion of Forms”と今回のCollection 008 “Taphonomy”は、特に深い関連が。
007では、樹木と人類の関わりをテーマに、樹木の素材としての側面から現在の都市の元となる形状の概念を表し、008では、デザイナーである吉本天地がフィールドワークで見つけた珪化木と呼ばれる樹木の化石がきっかけとなり、生物が石化していく過程・メカニズムを研究する学問を指す言葉 “タフォノミー” をタイトルに据えたコレクションとなりました。
石化のコンセプトをリサーチしていく中で、フランスの哲学者であり石の収集家でもあった ロジェ・カイヨワの石への視点、考察からもインスピレーションが得られています。カイヨワが特に熱を持って収集していた瑪瑙石や、パエジナストーンの柄や質感を、amachi.のフィルターを通して衣服に置き換えることで、物質が異なる物質へ変化していく様を抽象化して再現しています。
Elise Gettliffe Sculpture Parts
Collection 008で生まれた新しい表現となる、Elise Gettliffeとのコラボレーション。石のマテリアルを直接的に表す要素として硬質で彫刻的なパーツを作るために、吉本が所有している珪化木やコレクションのコンセプトを陶芸家・Elise Gettliffへ伝え衣服のパーツとして完成。Eliseの父である彫刻家・Didier Gettliffeがフォルムを作り、Eliseが色つけと柄付けをしています。
全てのパーツは作品要素を落とし込んだもので、手書きされたもの。ひとつひとつ異なる柄になっています。素材は石に近い表現にするために、磁器が用いられています。
Petrified Wood Top
007で発表した樹木の年輪をモチーフにしたWood Cut Knit の石化を表現したプルオーバー。ファブリックは石を思わせるような硬さのある墨染めのコットン生地を使用。カッティングとステッチワーク、EliseGettliffeとのコラボレーションとなる磁器パーツなど、珪化木のインスピレーションからデザインされています。
Caillois’s Agate Knit
本企画のために製作されたスペシャルカラーのニット。カイヨワの収集していた瑪瑙石がモチーフとなり編み柄が作られています。奥行きのある風合いや質感は、太番手のコットンを、今では世界的にも数少ない不均一な表情に仕上げることができる旧式の紡績機で紡績しコンニャク加工と呼ばれる硬さとシャリ感を出す仕上げをすることで生み出しています。
Paesina stone knit
工業的手法と職人の手作業が組み合わさって生まれたニット。素材はマニラ麻を原料とする和紙の扁平糸に細いコットンの糸を僅かに引き揃えて編まれています。和紙糸の太さが機械で編める限界の太さのため、編みの前工程で様々な工夫が。染色は特殊な染色技法である「捻り染め」が用いられ、色の奥行きを表現。カイヨワの所有していたパエジナストーンの中に、直線的柄が複雑に交差しているものがあり、そのニュアンスがインスピレーションとなって生まれた編み柄とカラーリング。
今シーズンも、amachi.の世界観を纏ったアイテムが多数揃います。Collection 008 “Taphonomy”のテーマとその表現をぜひ店頭でご覧ください。