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Surface of Light by Rinko Kawauchi

アーツ&サイエンスが取り扱うクラフトから、さまざまな光りを放つ作品をご紹介します。手吹き硝子で作られたグラスやライト、シルバー製のインセンスホルダーなど、それぞれの素材の面を、独自の世界観で光りを捉える写真家・川内倫子さんに撮影していただきました。

 
 
 
 
 
 

MESSAGE

届いた箱を開け、自宅のなかでひとつずつ合いそうな場所を選んであちこちに置いてみた。
ガラスのポットは曇りガラスの窓の手前に置くと、空の青と木々の緑のグラデーションと相性がいいように見えた。
キャンドルに火を灯すと、途端に香りが満ち、部屋の空気が普段の生活から一段スライドする。黒いガラスが透けて炎のゆらめきが美しく、日常に異国の風が吹いたようだ。
Peter Ivyのワイングラスはとても大きくて繊細だ。キッチンに置いたりテラスに持ち出したりしたが、やわらかい光が合いそうだと思い、直射日光が入らない薄暗い洗面所で撮影するとしっくりきた。
そんなふうにすべての作品と向かい合い、数日過ごした。
天気や時間帯によってそれぞれにまた別の表情が現れ、飽きずに見惚れながら撮影した。
撮影が終わって箱に詰め直すと、不在が寂しく感じる。
宅配便で送り出したあとも、キャンドルの香りがすでに恋しい。

PROFILE

川内倫子

1972年、滋賀県生まれ。2002年に『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2023年にソニーワールドフォトグラフィーアワードのOutstanding Contribution to Photography(特別功労賞)を受賞するなど、国際的にも高い評価を受け、国内外で数多くの展覧会を行う。主な著作に『Illuminance』(2011年)、『あめつち』(2013年)、『Halo』(2017年)など。近刊に写真集『やまなみ』『橙が実るまで』(田尻久子との共著)がある。2022〜2023年に東京オペラシティ アートギャラリーでと滋賀県立美術館で個展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」を開催した。

ITEM

東穂高
〈Fortune – Glass Accessory Case〉

YALI Glass + KITAWORKS
〈KATI Lamp〉

TENNEN
〈Incense Holder〉

Perfumer H
〈Perfume & Candle〉

Peter Ivy
〈Wine Goblet〉

小澄正雄
〈Object “Egg”〉

NOTE

各作家のアイテムは特集ページでご覧いただけます。
東穂高・YALI Glass + KITAWORKS・TENNEN
Perfumer H・Peter Ivy・小澄正雄