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髙仲健一 「ゆけっ!キャプテンピートデラックス」

今年も、画家・書家・陶芸家として様々な制作を行う髙仲健一氏の企画展を、京都と東京の2店舗にて開催いたします。

Event details

今回のタイトルは〈ゆけっ!キャプテンピートデラックス〉。ユニークで独自性あふれる作品が多数登場します。さらに、ARTS&SCIENCEとのコラボレーションアイテムとして、髙仲氏のリクエストから生まれたニットや革小物もご用意しております。

 

「日々の生活を大切にする中から自然に生まれたものが作品に反映され、その延長線上として宇宙や怪獣、キャプテンピートといったテーマが生まれます。それはやっぱり“自分”そのものなのです」と語る髙仲氏。伸びやかで豊かな表現あふれる新作をぜひご覧ください。皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

MESSAGE

“昼前、山羊の所に草を上げに行ったら、頭上でブーンと音がしました。見上げるとタマムシで、しかも三匹!がお互いでラセンを描くように夏の真っ青な空に向かって飛んでいました。やがて三匹は随分と高い地点に上がった所で、北、西、南へと散って消えていきました。私は夏の間は1日のほとんどをろくろ場で過ごすので、外に出るわずかなタイミングでタマムシに出会うのは一夏に一匹がいいところです。この夏はタマムシにであえなかったなあ という年もあります。それが今年は一度に三匹。これは初めての経験で、とても感動しました。タマムシは何度見ても美しいですね。メタリックに輝く緑と赤の体色と、楕円気味でトゲトゲした所のないやさしい体型のマッチングがすばらしいです。他にメタリックに輝く昆虫は見かけますが、タマムシには特別な感情がわき起こります。厨子にタマムシの羽を張りつめるという昔の人の発想もむべなるかな で、さぞや美しかったろう(現存品にはタマムシの羽の痕跡がわずかに残るだけ)と思いますが、厨子ですかね。それを装飾するためにタマムシを沢山殺すというのは、まあ、昔の人はたくましいということですかね。
私が睦み合うかの如き三匹のタマムシを見た感動そのままで家に入って、囲炉裏の間のテーブルで、複式簿記に頭を悩ましながら帳簿をつけている妻に、タマムシが三匹、と興奮気味に話をしました。すると妻は帳面から顔を上げて無表情に私の顔をじーっと見つめ、そして言いました。「お父ちゃん、もうすぐ死ぬんじゃないの。」ドテッ! 全く人がせっかく感動しているのになんて盛り下げだ、と思いましたが、それはわかりませんね。今、しこしこ書いているこの文章がアーツ&サイエンスの何かに掲載されるのは来月の半ば頃でしょうから、その時に私はこの世にいないということは当然ありうるわけです。ということで、みなさん、さようなら!”

 

― 髙仲健一

PROFILE

1966年茨城県取手市に生まれる。学習院大学を中退後、漢籍、仏書、日本古典を糧に、独学で書、絵画の制作を開始。1993年千葉県大多喜に自身で薪窯を築き、本格的な陶芸活動を始める。半自給自足の生活を営みながら生み出される作品は、独自の感性やユニークな表現が注目され、様々なギャラリーで個展を開催している。

*髙仲氏のインタビューや制作背景を収録した動画記事を、A&S Editorialにて近日公開予定です。どうぞご期待ください。

EVENT DETAILS

TITLE

髙仲健一 「ゆけっ!キャプテンピートデラックス」

KYOTO

A&S Aneyakoji Kyoto
2025年9月26日(金) — 10月5日(日)/ 11:00 – 19:00
作家在店日:9月26日(金)
火曜定休

TOKYO

HIN / Arts & Science, Aoyama
2025年10月10日(金) — 10月19日(日)/ 11:00 – 19:00
作家在店日:10月10日(金)
火曜定休

  • 設営のため、HIN / Arts & Science, Aoyamaは10月9日(木)は臨時休業となります。

  • 詳細は店舗もしくはコンタクトフォームよりお問い合わせください。