窯焼中の作品に塩を噴射することで起きる、釉薬と塩の化学反応を利用した伝統的手法〈ソルトグレーズ〉は、Steve Harrisonの作品に多く用いられています。窯を開けるまでどんな表情になっているのか予測がつかない面白さと、時として素晴らしい模様を生み出すこの手法は、彼のものづくりに欠かせない要素です。この手法がいかされた西洋的かつクラシカルなフォルムを持つ作品と、その人柄により多くのひとを魅了してきたSteve Harrison。A&Sでは18年に及ぶ彼との関わりのなかで、その年に手がけられる特別な作品をご紹介しつつ、2年に1度のペースで作品展を開催し、多くの方々に彼の作品を見ていただける機会を設けてきました。時には〈BIG IN JAPAN〉のように、オーナーであるソニア パークのアイディアから生まれるシリーズも。それらの魅力を伝える書籍なども制作しています。
(Steve Harrisonの書籍は、A&S ONLINE SELLERでも販売しています)
今回福岡でご覧いただくのは、主に2021年につくられた作品です。全ての作品には制作年号が記されており、彼のアイデンティティを表しています。様々な色とサイズのソルトグレースによるカップやティーポット、ボウルなど、日常の中で楽しめるものを中心に今回も出来栄えの良いものを選んでくれました。A&Sのためにつくられたスタンダードな作品群をぜひご覧ください。みなさまのご来店をお待ちしております。
PROFILE
1967年生まれ。ロイヤルカレッジオブアーツの陶芸修士課程を終了。ロンドン郊外にワークショップと窯を持ち、制作活動を行う。主な代表作には、釉薬に塩を用いたソルトグレーズ手法で陶器や磁器、時にはこの2素材を組み合わせつくられるマグカップやティーポットなど。A&Sでは2003年から作品を紹介しており、これまで数々の作品展を開催。2019年にはオーナーであるソニア パークのアイディアから生まれた、比率の研究をテーマにした新しい試み〈BIG IN JAPAN〉を発表。