r a s a i – 2023SS Collection
インドを拠点に布製品のデザイン、染めや縫製までを一貫して行い、品質と人や環境への配慮に定評がある〈asiam studio〉のリニューアルレーベル〈r a s a i〉。A&Sは、ファーストコレクションから展開している世界でも数少ない展開ショップです。6月16日(金)より2023SS新作コレクションをA&S青山、丸の内、京都、福岡で展開します。
1996年に2人のパートナーによってインドに設立された〈asiam studio〉は、ソフトファニシングや服飾製品のデザイン、染色から縫製まで、全ての生産過程を一貫して行う会社として、主に欧州の老舗ブランドとのコラボレーションを展開してきました。2018年より、創立者デザイナーが同社の原点であったレーベル〈r a s a i〉のリニューアルに着手し、より多様な活動に専念するため、2021年からは新しく立ち上げた別会社asiam studio livingで企画が進行されています。インドの冬に重宝される、美しく心地良い肌触りの手縫いのベッドキルト“ラザイ”。その普遍的な魅力や裏使い等を意識した仕上げ、年齢や性別、サイズにとらわれることのない自由な可能性を発想の軸に、使い手の暮らしを潤すものづくりを目指し日々活動しています。
2023SSの新作コレクションでは、〈r a s a i〉の定番素材であるインドの極薄コットン生地マルマルを用いて、重ね着を楽しむために生まれた一枚仕立てのドレスやブラウスをご紹介します。
1枚仕立てのマルマルをつかった全てのアイテムで表現されている、合わせ目の透かし縫いは、通気性を生み、かつ軽やかな見た目と着心地が特徴です。この縫合技法は、ムガール帝国の宮廷時代からインドに伝わるチカンカリと呼ばれる手刺繍と共に発達したと言われています。チカンカリは、布地の色に合わせた刺繍糸を下絵が施された布面に巧みに配置し織り糸を引き離し隙間から光を通したり、糸を重ねて光を遮断させるなどの陰影を生む装飾刺繍です。「透かし縫い」縫合法は、チカンカリの施された布を衣服に仕立てる際に、その「透かし」の感性で合わせ目を表現したのが原点では、と考えられています。時を経てミシン手法が生まれ、現在ではお出かけ用クルタの袖ぐり縫合等に採用されるようになりました。リサイクル紙を何十枚も重ねて厚みを持たせ縫製し、その後紙を取り除くことで縫い目に隙間を持たせる方法です。極薄素材ゆえに裁断や縫製、そして紙を取り除く際にも格別の注意と技量が必要とされます。このインドならではの刺繍が施されたカラフルなr a s a iのアイテムを、ぜひ店頭でご覧ください。
マルマル(Mulmul)
r a s a i の原点であるインドのベッドキルト“ラザイ”。綿わたをマルマルと呼ばれる綿生地で優しく包み、手縫いで仕上げられている。歴史的にはインドで最も熟練した織工により手掛けられ“織り風”とも呼ばれている。極薄で柔らかく、通気性に優れた綿生地。現在はその技術も失われ力織機製が主流で、縫製時には格別の注意と技が必要とされる。
PROFILE
“r a s a i”は冬期のインドに重宝される柔らかなベッドキルトにちなんだもの。裏使いをも意識したキルトの仕上げやその年齢、性別やサイズにとらわれることのない自由な可能性にインスパイアされ、使い手の暮らしを潤し、永く寄り添っていきたいと思っていただける普遍的なものづくりを目指している。A&Sでは様々なアイテムを不定期で展開中。
-
- BRAND
r a s a i
-
- SHOP