A&S 2025SS – 植物染／ベンガラ顔料染

【Delphinium Pale Gray】
デルフィニウム（花）
キンポウゲ科デルフィニウム属の植物。茎の周囲に咲く青紫色の花が特徴で形がイルカ（dolphin）に似ていることから学名にDelphiniumの語源が。淡い青紫色、グレイッシュなブルー、グリーンがかった色合いに染まります。

【Lavender Pale Pink】
ラベンダー（花）
シソ科ラベンダー属の多年草。紫色の小花と芳香が特徴のハーブで、古くから薬草や香料として用いられています。ごく淡い灰紫色、紫がかったベージュなどに染まり、やさしく繊細な色合いが魅力。

【Parsley Pale Yellow Green】
パセリ（葉）
セリ科オランダゼリ属の多年草。料理で使われる食用ハーブです。淡い黄緑やグレーがかったグリーン、落ち着いたニュアンスのある緑系の色合いに染まり、ナチュラルでやさしい印象に。

【Kumazasa Light Green】
クマザサ（葉）
イネ科ササ属の常緑多年草で、山地に自生する日本の在来植物。熊が身を隠すほど群生することからその名がついたといわれています。染料としては、深い緑や落ち着いたカーキ色、控えめな光沢をもつ渋みのあるグリーンの色調に。

【Chamomile Beige】
カモミール（花）
キク科の一年草または多年草。ジャーマン種やローマン種などが知られ、可憐な白い花とやさしい香りが特徴。染料としては、明るいレモンイエローから穏やかな黄色味まで、柔らかな発色に。

【Oregano Light Brown】
オレガノ（葉）
シソ科の多年草。香り豊かで、料理やハーブティーとして使われいています。染料としては、黄緑やグレイッシュな緑に。自然と調和するような落ち着いたグリーントーンが生まれます。

【Takesumi Dark Gray】
竹炭（竹材）
イネ科タケ属の植物を高温で炭化させた竹炭は、消臭・調湿などに使われる天然素材。染料としては、炭独特の深みのある色が魅力で、墨色にも似たニュアンスのあるグレーに。柔らかな黒の表現として衣料や紙などに用いられます。

“ベンガラ”とは、土から採れる酸化鉄を原料とする天然の赤い顔料です。縄文・古墳時代の遺跡からも出土しており、陶器や漆器、家屋の塗装など、日本の暮らしの中で古くから用いられてきました。紫外線や虫から木材を守る機能もあり、実用性と美しさを兼ね備えた染色原料です。

染色に用いる顔料は、乳鉢でじっくりとすり潰しペースト状にしたのち、天然ゴムを加えた定着剤と混ぜて手作業で布に着色。染め上げた生地は天日干しで乾燥させるという、とても原始的な工程を経て仕上げられます。顔料の粒子が生み出す自然なムラはやわらかな表情をつくり、洗うほどに色が落ち着きを増し、時とともに育つような風合いが魅力です。

もともと赤色が中心だったこの顔料、染色を依頼した加工場では、独自の燃焼温度と調合技術により、黄・黒・緑・紫など多彩な色合いへと展開。全5色―銀鼠・春桜・琥珀・黒土・古色―という和色名を持たせたベンガラの色を、A&Sオリジナル生地に染め着けました。

植物染とベンガラ顔料染の自然がもたらす豊かな色彩を、ぜひ店頭のアイテムを通してご覧ください。（Bulky Sleeve Dolman Blouseのみ7月展開予定）