A&S 2022AW – Crocodile Leather

野生のクロコダイルはワシントン条約で厳格に管理されているため、クロコダイル革は人工的に飼育されたものが使われるそうです。そのため、もし養殖産業がなくなると絶えてしまう素材でもあります。クロコダイル革は繊維が緻密なことから耐久性に優れ、極めて丈夫な素材です。部位によって細かく丸みをおびた形や、竹の節のように四角く連なる形が織りなす模様にひとつとして同じものがないところも、ほかの革にはない魅力となっています。使い込むほどに人の手になじんで艶や質感に深みが増していくことからも、長きにわたり愛用できる素材です。

革の美しさを極限まで引き出すには、革を鞣す職人「タンナー」の存在が欠かせません。A&Sのクロコダイルは、日本の爬虫類専門タンナーにより手がけられています。クロコダイル革は凸凹とした形状から鞣しや染色、縫製が難しいと言われていますが、オイルを加えながら革を鞣すことで柔らかくしなやかになります。革の芯までオイルが入ることでキズが目立ちにくくなる効果もありますが、オイルによって色味の濃さが変化するので、卓越した染色技術が必要となります。水溶性の染料を使って革の内側から染め、革表面の加工は最小限に。透明感のある発色と、マットでナチュラルな風合いを残しながら、より表情豊かなエイジングを楽しめるよう仕上げられました。

クロコダイルは、その希少性から大量生産はできません。また、原皮を鞣し、染め、縫製するまでに50以上もの工程が必要です。そのすべてを日本で行った、メイドインジャパンのクロコダイルを、ぜひ店頭でご覧ください。