本展示では、〈匙屋〉による実用的な手彫りの漆匙、オリーブの枝を匙に落とし込んだ〈瀟木子〉の作品、そしてA&Sでは初のご紹介となる間伐材シリーズをご紹介いたします。工房近隣の神社や里山、交流のある庭師など多くの縁により集う身近な間伐材を、グリーンウッドワーク*の技法や考えを参考にしてつくられた作品群です。その土地で暮らすことが作るものに密接に関わり合い、匙という古くから人々の暮らしに根ざした道具で表現されています。
若葉の生い茂る緑豊かな良い季節となりました。散策がてらお気軽にお立ち寄りください。
*グリーンウッドワーク:乾燥していない水々しい生木を、伝統的な手工具を使い割ったり削ったりしながらスプーンやボウル、椅子などを作る木工ジャンル
PROFILE
さかいあつし
木工作家。1969年愛知県生まれ。大学を卒業後、会社勤めをするも、ものづくりへの想いが高まり1994年に小木工品の製作を開始。2006年に東京都国立市に「匙屋」をオープンし、現在は岡山県牛窓を活動拠点に。2018年からは瀟木子(ショウボクシ)として新たな試みを行っている。手作業で生まれる木製の匙は、自然の造形を感じつつも実用性を備え、多くのファンを持つ。