関健一氏は、木を刳り出して形をつくる〈刳りもの〉や、漆の表情を生かした〈塗りもの〉など、素材に沿うように向き合いながら制作を続けてきました。
本展では、そうしたこれまでの仕事とともに、近年取り組んでいる卵殻貼りの作品もご紹介します。卵の殻を細かく割り、表面に貼り重ねることで生まれる独特の質感と白の表情。卵殻は、かつて漆で白を表現する手段が限られていた時代に用いられてきた技法のひとつでもあります。殻を割ったときに生まれる偶然の形跡を手がかりに構成された作品には、これまでとはまた異なる魅力が宿ります。
長く続けてきた仕事と、新たな試み。その両方をご覧いただける個展です。
PROFILE
木漆工芸作家。1982年大阪生まれ。大学時代、恩師が携わっていた李朝木工の仕事がきっかけで工芸に触れる。卒業後、木工芸家・藤嵜一正氏に、2012年より塗師・赤木明登氏に師事。2019年に独立。2020年、HIN / Arts & Science, Nijodori Kyotoにて初個展を開催。2024年に石川県輪島市から京都市京北へ拠点を移し、木地づくりから漆塗りまでの全工程を一貫して手がける制作活動を続けている。