シドニーを拠点に活動するウィルソン氏の制作姿勢の根底には、「その製品がどれだけ長く使えるか、そして再利用できるか」という問いがあります。多様な原料を掛け合わせることでリサイクルが難しくならないかを常に自問しながら制作に臨み、素材の配合そのものを作品の完成形と同等に重視しています。複数の素材を組み合わせても、鋳造されたものは最終的に一つの素材へと変わり、精練所で再び別のものに生まれ変わる。その循環性を前提にものづくりを行い「流行に合わせたデザインはしない」と語ります。
本展では、代表的なインテリアアクセサリーをはじめ、照明やキッチンウェアなど、大小さまざまな作品をご紹介いたします。大きな作品は基本的に受注制作となりますが、一部は店頭販売品としてその場でお求めいただけるものもご用意しております。さらに、最新作となるアートワーク〈Wall Relief〉や〈Oil Diffuser〉もお披露目いたします。
「流行にとらわれない普遍的なものを」という理念は、A&Sの考えとも深く通じ合うものです。ぜひこの機会に、HIN青山の店頭でご覧ください。



PROFILE
2012年にオーストラリア・シドニーで設立されたデザインスタジオ。真鍮、石、アルミニウム、ガラスなど多様な素材を用い、家具、照明、オブジェ、アクセサリーを制作している。「長く使えるものこそ美しい」という理念のもと、実用性と素材の魅力を引き出すデザインを追求。自社スタジオを拠点に、地元の鋳造所やヨーロッパの石職人など国内外のクラフトマンと協働し、オーストラリアのスキンケアブランドAesopの店舗デザインや、真鍮製オイルバーナーのデザインで知られている。その洗練された造形は国際的に高く評価されている。