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MARQUESS for A&S “Tokyo”

ビスポーク・シューズブランド〈MARQUESS〉がARTS&SCIENCEのために製作するレディスの既製靴の試み。このたび、Oxford、Durham、Yorkに続く4作目となる〈Tokyo〉が誕生いたしました。着想から3年の月日をかけて完成したこのニューモデルについて、MARQUESSのデザイナーである川口昭司さんにお話をうかがいました。

  • これまでOxford、Durham、Yorkといった、これまでのモデルとは異なる点が多いと感じるTokyoなのですが、デザインを考えるにあたり重要視されたことや仕様や素材についてうかがわせてください。

    • 川口

      デザインはカジュアルなエプロン・フロント・ダービー(Uチップ)ですが、モデル名のように都会的な印象の靴を作ろうと考えました。木型は足をしっかり包み込むようなスマートなシェイプに削り、モカ縫いは繊細な印象になるように細かいステッチで表現しました。羽根はVフロントで4つ穴にしてシャープなカットに。また、アッパーのヌバックとラバーソールの組合せでマットな質感を出しました。カジュアルなデザインでも、控えめで上品な印象になるよう細部にもこだわりました。

  • これまでの3作はイギリスにまつわるモデル名をつけられてきましたが、今回はTokyoに。なぜこのモデル名にされたのでしょうか?

    • 川口

      もしかしたら少しの心境の変化かもしれません。クラシックな英国靴を作ることはこれからも続けていきますが、私にとって靴作りの楽しさはそれだけではありません。今生活している東京の街や人を見て色々な想像を巡らせ、そこで生まれる感覚を形にしてみたいと思っていました。そうして出来た靴なので、モデル名をTokyoとしました。

  • Tokyoへの想いや、川口さんがイメージされる着こなしをうかがわせてください。

    • 川口

      このモデルが長く愛されるような定番の靴になれば嬉しいです。スマートな木型にボリュームのあるソールが様々なスタイルにマッチすると思います。例えば、A&SのオールドチノのブラックにTokyoのジェットブラック、トップスはシンプルなニット、コートを羽織ってみてはいかがでしょうか。

  • これまでA&Sでご紹介してきたMARQUESSの靴は、メンズライクなデザインのなかにも女性らしいエッセンスが反映されているように思います。紳士ビスポークの靴作りとは異なるお考えや要素はありますか?

    • 川口

      MARQUESSのレディース靴を作るにあたり意識している事は、紳士靴の小さいバージョンは作らないという事です。紳士靴をサイズだけ小さくしてもフィッティングは良くありませんし、見た目も野暮ったくなってしまいます。必ずレディースの木型を設計し、そこに対してベストな線を引くことを大切にしています。基本的には紳士ビスポークの靴作りと同じ考えでレディースの靴も作っています。靴はクオリティが伝わりやすいアイテムなので、見えるところも見えないところも最高の素材を選んでいます。

  • A&Sとのもの作りや、今後の制作についてうかがわせてください。

    • 川口

      A&Sとの取り組みでは、今まで私たちが続けてきた伝統的な英国の靴作りを軸として持ちながら、もう少し自由な発想でもの作りができていると思います。このバランスがMARQUESSのレディースの特徴だと感じています。作ってみたい靴は、刺繍の入った靴です。いつか形にしたいと思っています。

由緒ある英国のビスポークシューメーカーで活躍し、国内外から高く評価される靴職人である川口氏がA&Sのために製作されたウィメンズ既製靴の4作目となるTokyo。その独自のフィッティングをぜひ店頭でお試しください。

“Tokyo”

Detail
BRAND

MARQUESS for A&S

MATERIAL

Cow leather

SIZE

3, 3½, 4, 4½, 5, 5½, 6

COLOR

Jet black (PHOTO), black coffee, charcoal

PRICE

¥165,000 (¥150,000 excl. tax)

Black coffee
Charcoal